立教大で尹を記念して韓国人留学生を対象に設けられた奨学金の一部にあてる


asahi.com(朝日新聞社):獄死の韓国詩人、日韓で読み継ぐ 命日前にCD自主制作 - 社会




2010年2月23日16時44分


 第2次大戦中に朝鮮語で詩を書き、治安維持法違反に問われて福岡で獄死した韓国の国民的詩人、尹東柱(ユン・ドンジュ)(1917〜

45)の詩を日韓の言葉で朗読したCDが完成した。美しい詩にひかれた埼玉県桶川市の日本語教師、天沼律子さん(63)が命日の16日

を前に自主制作した。韓国併合から100年。天沼さんは「彼の生きた不幸な時代を忘れず、未来へ向けた和解につなげたい」という。


 尹は、42年に立教大に入学、その後、同志社大で学びながら朝鮮語で詩を書いていた。このため「独立運動にかかわった」などとされ、

治安維持法違反容疑で逮捕。45年2月、福岡刑務所で27歳の若さで亡くなった。


 死後、詩が韓国で高く評価され、代表作「序詩」は多くの国民に暗唱され、親しまれている。

 立教大の韓国人司祭、柳時京さん(46)と、演劇で尹役を演じたことのある俳優の二宮聡さん(42)がボランティアで詩を朗読。「序

詩」のほか「自画像」「たやすく書かれた詩」など25編をCDに収めた。立教大卒の天沼さんは、多くの韓国人学生らに日本語を教え、柳

さんから韓国語を学んでいる。20年ほど前、詩人の茨木のり子さんの著書を通じ、尹の存在を知った。「拳を振り上げ声高に叫ぶのではな

く、素朴な言葉を静かにつないだ詩。そのみずみずしさにひかれた」と語る。


 CDの収益金は、立教大で尹を記念して韓国人留学生を対象に設けられた奨学金の一部にあてる。21日午後2時から、東京・西池袋の立

教大チャペルで追悼会も開かれる。CDは、一部2500円(税込み)。問い合わせはキングインターナショナル(03・3945・233

3)。(桜井泉)

 なんだか日本政府が朝鮮語を禁止していたような印象を与えますが、事実としてそんなことはありませんでした。戦前の東亜日報(漢字ハ

ングル交じり文で表記)や、ハングルの小学校教科書などの存在が知られています。