府教委の担当者は「無償化はあくまで来年度からの授業料」


「大阪府教委が府立高授業料滞納者への対応を強化へ」:イザ!




10/03/19 00:09

 平成22年度から政府が高校授業料無償化を実施することを受け、大阪府教委が、現在約4億3千万円と、全国ワーストワンとなっている府立高校授業料の滞納の回収基準を強化することが18日分かった。無償化を理由に「もう払わなくてもよいのではないか」と支払わない人がでる恐れがあることを警戒した対応で、府教委の担当者は「無償化はあくまで来年度からの授業料。滞納者に対しては厳しい姿勢で臨む」と話している。


 府教委によると、これまでは地方自治法で定められた5年の時効が迫った滞納者に対し、簡易裁判所への督促申し立てを実施。督促に従わない場合、給料の差し押さえといった対応を取ってきたが、時効が近づくまでは、文書督促などにとどめていたという。


 しかし、22年度からは、年間授業料以上を滞納している全卒業者に対し、一律で簡易裁判所に督促申し立てを実施することを決めたという。


 府立高校の授業料は全日制が年間14万4千円、定時制は年間3万2400円。府教委は来年度からの授業料無償化に併せて、1人あたり年間5400円の空調使用料についても徴収しないことも決めており、来年度以降からは滞納自体がなくなる。


 一方で、累積滞納額は14年度に1億円を突破して以降、年々増加。20年度の累積滞納額は、4億2800万円(のべ5630人分)にまでふくれあがっており、滞納者の中にはすでに時効を迎えて支払いを逃れたケースもあるという。


 簡易裁判所への申し立てを行った場合は回収率も高く、20年度に簡裁への申し立てを決定した65件(滞納額計約1500万円)のうち、31件(同約770万円)が、申し立ての連絡をしただけで支払いに応じたという。


 授業料は学校の施設使用料として徴収されており、支払いは使用者である生徒になっている。滞納者が卒業後、未成年の段階では保護者に、成人した場合は、生徒あてに督促がなされるという。


 簡易裁判所への申し立てを行うのは年間授業料相当の滞納額がある卒業者のみで、低額滞納者や在校生は、引き続き在籍する学校が納入指導を行う。