薬剤師は、一般スタッフのようなスケジュールがない
秒単位でスケジュール管理。徹底した効率化で激安・高利益率を実現するサンドラッグ
●能力に応じた作業分配で最少人数で効率的に
サンドラッグでは、秒単位でスタッフのスケジュールが決まっている。
例えば欠品再チェックは、18.4分(18分24秒)とか、
前日の売上高計算は3分で終わらせる、とか、
釣り銭の準備は11分とか、現像写真の仕分け作業が5分とか。
例えば開店前の作業について、
<社員>
・釣り銭準備
・レジ立ち上げ
・商品仕分け(店内レイアウトを熟知した社員が適切)
<パートA>
・店内掃除
・灰皿処理
<パートB>
・品出し
・はたきがけ
のように、それぞれの能力に応じて作業を分配し、スケジュールを立てている。
商品仕分けは、店内レイアウトを熟知した社員が最適。
なので、社員はケースに仕分けをしていき、棚の前にケースを置いておく。
そして、その後の作業(品出し)は、
レイアウトを熟知していないパートでもできるので、パートが行う、
といった具合に、能力に応じて非常に合理的に作業が分配されている。
また、掃除一つをとっても、
「トイレ」「駐車場」「売り場」など分けて考えていて、
細かく分けていくと、定番の作業が200近くになるという。
それ以外にも、週一回、月一回という作業が60項目程度ある。
これらを、全て秒単位、分単位で振り分けているが、
一律ではなく、店の売り上げや入荷される荷物量によって都度計算している。
これにより、最小限の人数で効率的に作業ができるようになっている。
そして、人件費などの販売管理費は、同業他社に比べて低く抑えられている。
<販売管理費>
・業界平均 20%
・サンドラッグ 17%
●効率を追求せず、サンドラッグのファン(効果)を作るための接客
徹底した効率の追求の一方で、接客を重視する薬剤師の存在がある。
薬剤師は、一般スタッフのようなスケジュールがない。
薬剤師の役割は、作業の効率とは対極にある役割、
「サンドラッグのファンを作ること(接客)」である。
「利益に繋がらなくても、いい接客をしたことで、このお店の薬剤師に相談したいなと思ってもらえるような接客をしてます(薬剤師)」
「話を伺いたいときにすぐに対応してくれますので。ですから、気持ちがいいですよ、こちらも。分かりやすいですしね。納得して買えますので(客)」
この2つの仕掛けを、一店舗につき、2つの責任者をおいて実施することで、合理化と高サービスを実現している。
しかし、スケジュールの作成は、
元々作業効率を上げるために始めたことではなく、
数値目標のないスタッフの評価をするために、
どのような作業が苦手で、どのように教育をすべきか、
ということを把握するために作業表を作ったのが始まり。
結果的に、仕事の振り分けに繋がり、作業が効率的になった。
また、そのお陰で薬剤師の接客時間を確保することが出来るようになり、
接客に多くの時間をかけられるようになった。
カンブリア宮殿(2009.10.19)