封書届く-神奈川・川崎:ローカルニュース ニュース カナロコ -
なんともお粗末な「お涙頂戴」パフォーマンスですが、これは違法性が問われる可能性があるのではないでしょうか。
2010年3月15日
在日朝鮮人の子弟が通う川崎朝鮮初級学校(川崎市川崎区桜本)に今月上旬、一通の封書が届いた。差出人には「一市民より」。短くつづられた手紙は朝鮮学校が置かれた境遇に触れ、父母会あてに「少額ですが気持ちだけ」と3万円が同封されていた。
便箋(びんせん)を手に、金龍権(キムリョンゴン)学校長が、柔らかな笑みを浮かべている。「元気づけられ、励まされ、あったかい気持ちになった。こういう方が日本人にもいるのだなあ、と」。桜の季節が待ち遠しくなるような、その封書が届いたのは今月4日のことだ。
「春もそこまで来て、送り出す生徒と迎える生徒に花を添えたいと待つこの頃(ごろ)です」。丸みを帯びた文字、そう書きだす文面は続く。「在日の友人から貴校の活躍のいろいろな話をききました。日本政府が何の援助の手をさしのべていない事に驚き、すまない気持ちです」
ピンと伸びた1万円札が3枚同封されていた。
朝鮮学校は語学学校などと同じ「各種学校」扱い。日本の私学ならば受けられる国庫からの補助はなく、学校経営は厳しい。学費の負担が少なくないなか、母親たちは昨年、イベント会場でチヂミや煮込みなどを売り、教室と体育館のカーテン購入費に充てた。
折しも、高校授業料無償化の対象に朝鮮学校を含めるか否かの議論が政府で続く。同校は、小学校にあたる初級部(児童58人)と付属の幼稚班(園児22人)だが、父母や教員はその行方をじっと見守る。「政策によりハードルが設けられるたび、疎外感を味わう。その繰り返しだった」と金学校長は言う。
そこに「一市民」から届いた「気持ち」。
同校では寄付金を使い、卒業式と入学式でプレゼントを計画中だ。卒業生は4人、新入生・園児は14人。「英語のテキストか図書券がいい」「上履きはどうか。キャラクター入りの子どもが喜ぶものにしよう」。職員室はそんな会話で盛り上がる。
卒業式は21日、入学式は4月4日。金学校長は「みんなは理解ある方々に見守られている。朝鮮人であることを忘れず、人の気持ちの分かる子どもに育ってほしい。例えば、この方のような温かい気持ちの人に。式ではそう伝えたい」。
目を輝かせる子どもたちの顔々がまぶたに浮かぶ。「この方の所在が、どうにかして分からないものか。ぜひ、卒業式と入学式に招待したいのです」
どういうことかというと、普通の封筒に現金を入れて郵送するのは違法行為だからです。
それにしても、「一市民より」ですか。やたらデカい一人称ですね。プロ市民が好みそうな。