川内倫子インタビュー 「「なぜ写真を撮るのか」

「最初は何もわからないところで、自分の中に自然とわき上がってきた衝動のままに撮っているんです。それで撮りながら、自分との対話を続
けていくという感じ。『何で今これを撮るのか?』『なぜこれに心動かされたんだろう?』その答えは、自分の中にしかなくて、最初は自分にもわからない。た
だ、撮りたいという欲求にまかせて、自分に問いかけ続けます」。

「だから、それが何かというのがわからないうちは苦しいところもあるんだけれど、だんだん量がたまって、それまで撮ってきた作品を並べてみて『ああ、見た
かったのはこれなのか!』ってわかった瞬間がいちばん嬉しいですね。既に相当量撮ったあとなので、そこまできたら、制作段階としてはもう終盤です。あとは
ギリギリまで集中して、その世界を完成させることだけ考える。展示は後からでもいくらでも変更できるのでいいのですが、本の場合はそのまま残っていくか
ら……後悔がないようにって、いつも印刷所に行く寸前まで粘って作業しますね」。










川内倫子インタビュー 「「なぜ写真を撮るのか」いつも繰り返し問いかけて」 ● PHOTOMORE / FUJIFILM