戦闘力のハイパー・インフレーションとスーパー・クリエイティブ・クラスの出現
“ドラゴンボールのストーリーは基本的に、強い敵が現われる→最初はやられる→修行して強くなる→敵を倒す→もっと強い敵が現われる、というループ構造をしているのだが、この際に主人公や敵の戦闘力が際限なく上がっていく。
孫悟空が子供の頃の天下一武道会などでは戦闘力がせいぜい数百同士の戦いだったし、サイヤ人が地球に侵攻してきた時でも戦闘力は数千から2万程度だ。
しかし、ナメック星でのフリーザの戦闘力は50万に達し、フリーザがどんどん変身していくと戦闘力は1億(スカウターでは既に計測不能なので推定)を超えてしまった。
また、瀕死の状態から復活すると戦闘力が劇的にアップするというサイヤ人の性質から、孫悟空は最終的にはフリーザの戦闘力を上回ってしまう。
舞台は数億の戦闘力を持った者同士の戦いになったわけだ。
孫悟空の最初の戦闘力が100だとして、フリーザを倒した時の孫悟空の戦闘力を2億だと推計すると、実に強さが2百万倍に膨れ上がったことになる。
このころになるとカメハメ波などの気功波は地球に向けて打つと地球が消滅してしまうほどの威力になっていた。
だから戦闘では気功波のたぐいは宇宙にそれていくようにコントロールして打たなければいけなくなった。
さらにフリーザの後にはセルとか魔人ブゥとかが出てきて、戦闘力は数百億、数千億のオーダーに突入していき(スカウターを誰も使わなくなったので全て推計値)、サイヤ人と地球人の混血児である孫悟空の子供が10歳そこそこでそんな戦闘力をあっさり超えてしまう。
この辺の非現実感が一部の評論家に酷評されているのだろう。
しかし、実は僕はこの戦闘力のハイパーインフレーションこそが今の現実の社会でまさに起こっていることではないかと思っている。
「戦闘力」を科学技術、個人が持つ資産、個人が動かすマネー、個人の影響力、などに置き換えれば、それは現代社会にすっぽりと当てはまる。”
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