市民たちの原子化を徹底し、結果的に消費活動の病的な活性化をもたらし

自己利益と自分らしさの追求が国策的に推奨されたのは、それが集団の解体を促進し、市民たちの原子化を徹底し、結果的に消費活動の病的な活性化をもたらし
たからである。

考えれば当然のことだ。

資本主義は市民の原子化・砂粒化を推し進める。

「他者と共生する能力の低い人間」は「必要なものを自分の金で買う以外に調達しようのない人間」だからである。

それこそ理想的な消費者である。

それゆえ、高度消費社会は、「自分が自分の手で稼いだものについては、それを占有し、誰ともシェアしてはならない。『自分らしさ』は誰とも共有できない商
品に埋め尽くされることで証示される」と信じる子どもたちを作り出すことに国力を傾けた。










内田樹の研究室 - 大人への道