セカイ系の一つの特徴だ


そうそう、前にも「きみとぼく」と書いたが、これはセカイ系の一つの特徴だ。
人間関係を、常に「きみ」と「ぼく」の2人の関係に分解して考える。それ以
上の人数をまとめて扱うことが苦手なのだ。ネット世代の頭の中には、「自分
が相手に合わせる」か「相手が自分に合わせる」かのどちらかしかない。双方
が歩み寄るという概念がない。だから、3人以上の関係をうまく考えることが
できないのだ。



ネット世代の恋愛観については別のところでまとめて述べることにするが、セ
カイ系との関連で特筆すべきことがある。相手を好きな理由が「自分に好意を
持ってくれるから」や「相手が自分に合わせてくれるから」であるということ
だ。純粋に相手が好きなのではなく、本当は自分が好きなのであり、相手がど
ういう人間なのかということは実はどうでもいい。



セカイ系は実は「きみとぼく」対「セカイ」ではなく、「ぼく」対「セカイ」
になってしまっている。他人の入る余地がどこにもないのである。











ネット世代の心の闇を探る