敗血症性ショックになったら、発熱を放置した、あなたの責任です

たとえ1年目の研修医が犯す医療事故でも、本人の実力が不足していたために生じたミスは、多分ほとんどありません。

(中略)

例えば朝、研修医が遅刻し、上司にこっぴどく怒られたとします。

彼にとって、その日の業務は、非常なプレッシャーが付きまとうでしょう。

ショックから、処方薬の記載ミスを生じるかもしれないし、いつもだったら上司のアドバイスを受けるであろう、受け持ち患者の37.8℃の発熱を、怒られたその日は、相談できないかもしれません。

結果、深夜に患者が敗血症性ショックになったら、発熱を放置した、あなたの責任です。新聞には、

“発熱を放置し、敗血症を予見出来なかった研修医は、医師としての資質にいささか欠けるところがあったといわざるを得ない”

などというコメントが載せられるかもしれません。

この場合の、ミスの本当の原因は、研修医が遅刻したことで、今まで正常に機能していた、上司と部下とのコミュニケーションが破壊されたことです。

しかし、報道される内容は、 “無知な研修医、また患者を死なせる” でしょう。











1.5 医療ミスは人間関係の破綻から生じる

これは盲点でしたが、すごくよく分かります。