朝鮮学校は教育内容をめぐり、今後も論議を呼ぶだろう


統一日報 減少する朝鮮学校生 総数は1万人に急減




2010年03月03日 00:00 


 総連は今年を「民族教育強化の年」として年初から「学生引き入れ事業」(学生募集)を下部組織にノルマを課して展開している。許宗萬責任副議長は朝鮮学校関係者を集めて「現地指導」し、学生数の維持・拡大は総連組織の生命線であるとして、北の労働英雄称号と国旗勲章第1級を与えられた西東京朝鮮第2初級学校の李政愛校長に学べとハッパをかけた。



  西東京朝鮮第2初級学校は、付属幼稚園を併設する初・中級学校として運営されてきた。98年には幼稚園を閉鎖、05年には中級部を休校。06年には初級部閉鎖も検討された。それを新任の李政愛校長が、幼稚班を復活させ、今年度の学生数(初級42人・幼稚班9人)を3年間で2倍にした。廃校の危機を救った「英雄」というわけだ。



 しかし、総連組織の衰退に歩調をあわせ、朝鮮学校の学生数(園児〜朝鮮大学生)の減少は止まらない。総連は公表していないが、1970年頃4万6000人いた学生数は今年度ついに1万人を切った。

 総連は朝鮮学校が「困難な状況」に至った理由を、少子化と日本政府の敵視政策としている。しかし真の原因は、その教育内容や、日本とそこに暮らす在日韓国・朝鮮人社会の北朝鮮と総連に対する批判にあるといっていい



 総連は今年も旧正月と前後して「学生少年芸術団」を平壌に送った。全国から10代前半の生徒105人を1カ月間滞在させ、舞踊公演「総書記に会いたくて来ました」を練習、演じさせた。

 引率団長の総連中央本部教育局幹部は現地で「在日朝鮮学生少年たちは、敬愛する将軍様さえいらっしゃれば必ずや勝利するとの信念をもち、総連の主人公としてたくましく準備していくであろう」(2月22日、朝鮮中央通信)と演説した。



 全国10校に約1850人が在学する高級学校(朝高)には生徒会がない。あるのは総連の傘下組織である在日朝鮮青年同盟(朝青)の支部組織にあたる朝高委員会だ。朝青は教師でもない活動家を「責任指導員」として常駐させている。学生・保護者の意思にかかわりなく、総連が朝鮮学校を組織維持・拡大の「生命線」として政治利用しているのは明らかだ。



 東京朝高(学生数約560人)の校長は2月25日、高校授業料無償化の対象から朝高が除外検討されていることに対する抗議記者会見で、生徒の49%が韓国籍であると明らかにした。発表どおりであれば、国籍は韓国、教育は朝鮮学校ということになり、韓国側にも大きな衝撃だ。韓国人ニューカマーの子どもで、日本語が分からないため初級学校に通学している例があるとするとなおさらだ。

 朝鮮学校は教育内容をめぐり、今後も論議を呼ぶだろう。