学生が文献や資料を突き放して論じるようにくどいほど何

まず、学生が文献や資料を突き放して論じるようにくどいほど何
度も何度も要求することである。具体的には、ゼミの発表などで文献の内容を紹介させる場合、「著者によれば」との限定を常につけさせる。そうすることで、
文献で展開されている議論を学生がいつのまにか自分の議論として(無批判に)展開しているという非常によく見られる現象を防止できる。(小生はこうした現
象を「霊媒」と呼んでいる。他人の言葉を自分の口を通して語っているだけだからである)。やってみると分かるが、何度要求しても、いつの間にか学生は「霊
媒」を演じている。自己の思想との対決なしに与えられた知識を無批判に受け入れストックするという、小学校以来12年間にわたる教育のなかで肉体化させら
れてきた学習法の「成果」である。


あるいは、文献や資料の内容紹介の際に必ず学生のコメントを付
けさせることである。学生はコメントを付けることが非常に苦手である。教師の側で執拗に要求しないと、やるのは要約だけでコメントがまったく付かないこと
がしょっちゅうである。コメントを付ける場合でも、きわめて常識的な感想であることが多い。自分の視点から論じるという習慣がないのである。











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