文献に相対せざるをえない状況に学生を追い込むことができる

レポートの場合には、あるテーマについて論じさせることをせ
ず、文献の書評をさせることである。テーマについて論じるレポートを要求すると、十中八九、学生は数冊の(場合によっては1冊の)タネ本をもとにそれを切
り張りしてあたかも自分の見解であるかのように書く。またもや「霊媒」である。


書評を要求するとこうはならない。学生が自らの視点を基準にそ
の書物を評価しなければならないからである。書評をさせるとは、いわば、一次資料を読む訓練である。文献は、そこで扱われているテーマとの関係では二次資
料であるが、書評の対照となった瞬間に評者にとっては一次資料となる。文献の議論の仕方自体が検討の対象となるからである。書評を要求することによって、
教師は学生が独自の主体として文献に相対せざるをえない状況に学生を追い込むことができる。











レポートを書かせてはいけないか