データベースはコンパクトに、軽くしておくのが一番です

それでは、考えるパワーが鈍くならず能動的になり、欲しい情報がすぐに見つかり、あなた自身の拡張となってくれるような情報収集・整理を行うにはどうしたら良いのでしょうか?

 それは、情報収集から整理までを最小化(ミニマル)にすることです

 大事なのは、コンパクトに、そしてクリーンに、あなたが余裕を持って全体を見渡せ、使いこなせる大きさに常に制約をかけていくことなのです

 次の手順で、スリムにして行きましょう。



1.オートメーションを止めて、「この情報収集の目的は?」と自分に聞く


 最新ガジェットのニュース、人気記事のランキング、芸能人のゴシップや話題の情報、面白いスレッドを毎日かかさずチェックしている人は多いと思います。

 ある程度は気晴らしとしてとても大事なことですが、「スナック菓子が止まらない」かのように、プチ中毒の域にたっしていたら意識的にストップをかける必要があります。

 目的なき情報収集は、あなたの財布からお金(Time is Money)を奪われているようなものなのです。

 「ちょっと待った!この情報収集の目的は?」と、自分に聞いてみましょう。優先付けを優先し、この情報収集が、投資・消費・浪費のどれに属しているのか考えてみましょう。



2.単なるログはいらない。情報は「料理」する


 アインシュタインがいったように、情報は知識ではありません。

 情報それ自体は、ただの材料でありそれ以上でもそれ以下でもありません。”あなた”を通して、はじめて意味のあるものになるのです。

 目についたもの・聞いたものを、自分というフィルターを通さずボットのようにログに残しても、有益ではありません。

 材料(情報)は料理しましょう。いらない部分をカットしたり、ある部分を引き立たせたり、他の材料と組み合わせたり、和風にしたり、美味しそうにみえるようにもりつけたり。

 情熱や愛情で沸騰させれば、もっと伝わりやすくなるかもしれません。

 ただスクラップブックに放り込むのでなく、料理のように、かならず脳を通し編集をして、誰かに提供するつもりでまとめるのが大事です。

 情報とは外部ではなく、編集の過程であなたの内部に残ったものなのです。



3.取り入れるものに制約を設ける・減らす・フィルターする。


 情報化のコストはフリーではありません。

 情報収集や情報化や記録・スクラップにも、あなたの大切な時間や労力などのコストはかかります。

 「自分の感情を揺さぶったか?(感情)」「関心のある分野か?(分野)」などの制約をもうけ、取捨選択をしましょう。

 制約から外れてしまったものは、潔く捨てるのです。

 「いつか役に立つかもしれない」「あとで読もう」というものは、必要な時に時にまた検索すればいいのです。

 あなたが一生懸命データベースをつくらなくても、影でGoogle先生がせっせと作っていてくれているので安心しましょう。

 自分の頭を信頼するのです。

 あなたの脳は本当に大事なことは忘れないし、必要なときに思い出してくれるはずです。(忘れてしまったものは、記録していても検索できません)。



4.データベースは軽く


 必要な時に、必要な情報がみつかる。カンタンに早く。

 それが情報収集に求められる一番大事なことではないでしょうか?

 そのためには、データベースはコンパクトに、軽くしておくのが一番です。

 「最近のコンピューターが大容量かつ早くなったから、データをいちいち消さなくてもいい。クラウドだってある」という人がいますが、そこから検索するのは生身の人間です。

 Gmailの容量が増え高速になっても、ジャンクメールが増えれば、大事なメールは依然として、見つかりにくいのです。

 むやみやたらと情報量を増やし、あとで見返したり、検索するときに気が重くなるようでは、情報の再利用率が下がってしまいます。

 定期的に、減らしましょう、捨てましょう、制限しましょう。

 「データベースは軽く」がパフォーマンスを保つ秘訣です。



5.必要最小限の情報でアウトプット、行動、意思決定をする


 情報収集には終わりがありません。

 完全に情報を集めきろうとするのは不可能ですし「成果の80%をきめているのは、重要な20%の情報だ」という法則もあります。情報収集にこだわりすぎず、必要最小限の情報収集で行動するように心がけましょう。

 また、究極の情報収集はアウトプット、行動、意思決定のプロセスや結果、フィードバックから得られるものです。

 行動することが、一番の情報収集なのです。



6.定期的にラマダーン(情報断食)をする


 私たちは、情報の洪水の中に生きているようなものです。

 家ではテレビから、街では看板の広告から、会社のパソコンではインターネットから、常に情報が押し寄せてきます。

 これは食べものに例えるならば、毎日、焼肉の食べ放題にいっているようなものです。

 時には、インターネットや携帯電話をオフにして、電気を消し、目を閉じましょう。深呼吸をしましょう。そして、心に静寂をもたらせば、自分の内なる声を感じられます。

 外からの情報収集も大事ですが、内側からの情報収集はもっと大事。

 情報よりも、自分の心を整理しましょう。











最もコンパクトな情報整理術 ―情報収集「依存」にならないために : earth in us.