バックグラウンドを前提としながら、実際は狭い範囲のことしか描けない

セカイ系は、「世界の広がり」を感じる能力が不足している。世界の広がりとはつまり、自分が今見ていない範囲にも世界が広がっているということだ。セカイ系の人は、壮大なバックグラウンドを前提としながら、実際は狭い範囲のことしか描けない。「銀河をまたにかけた冒険」と言いつつやっていることは単なる痴話喧嘩だったり、「人間とは?意識とは?」と問いかけつつやっていることは「ボクにもこんな彼女欲しい」だったりする。ここが、単なる痴話喧嘩に人生の悲哀を盛り込むことができる、まともな小説との違いだ。









ネット世代の心の闇を探る