「3D化」

 今という時代には編集という行為にもアップデートが必要なのかもしれない。これからの編集者は、縦糸横糸合わせて1枚のキレイな布を織り上げるだけでなく、時間軸(タイミング)や空間軸(情報の流れ)をも視野に入れた“3D”(=場に見合った“なう”な1枚)をデザインすることになっていくのではないかという気もしている。その場合の“多様性”は、差異化された(競争的な)価値のそれではなく、共有化された(社会的な)文脈のそれとして立ち現れる。その文脈をいかに豊かなものに設計できるかが、今後は問われることになりそうだ。

 果たしてそういった行いを「編集」と呼ぶのか、あるいは近ごろ流行りの「キュレーション」というのかはわからない。しかし、嶋さんのいう「暗黙知」の発掘(時代の空気を言語化する)は、言い換えればコミュニティ(文脈)のコアを言い当てることである。そのスキルはヒット作りにおいてますます重視されることになると筆者は考えている。











「本屋大賞」仕掛け人・嶋浩一郎の“笑撃的”ツイッター術 - ヒット研究所 - 日経トレンディネット

編集は「3D化」する?