ユニクロUJの恐るべき破壊力《それゆけ!カナモリさん》(1) | 経営実務


ユニクロUJの恐るべき破壊力《それゆけ!カナモリさん》(1) | 経営実務 | 投資・経済・ビジネスの東洋経済オンライン



「価格」は人によって安く感じたり高く感じたりするが、金額だけは絶対値だ。安く感じるか否かは、人の金銭感覚だけではなく価格に対していかに「価値」が高いかによる。ユニクロはその「価値」を高め続けているのだ。

バリューライン」で考えてみよう。横軸に製品・サービスの「価格」、縦軸に「価値」の二軸を取ると、「安くてそれなりの価値のもの」から「高くて価値の高いもの」という比例した関係が出来上がる。それがバリューラインで、世間の相場だ。アパレル市場、もしくはカジュアルウェア市場でユニクロ全体としては、低価格なのに高価格のものと同等の価値である「スーパーバリュー」のポジションを取る戦略である。

では、UJがジーンズ市場に与えるインパクトを考えてみよう。ジーユーの990円ジーンズからUJのプレミアムラインである3,990円で、バリューラインの価格レンジはすべて押さえたことになる。今回のUJのインパクトは、スーパーバリューのポジションを取りに行くのではなく、自らのラインナップを「標準」として、競合を全てバリューラインの水面下に撃沈させるという戦略であるということだ。